第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第1話
1955年8月。なつが18歳の時、北海道十勝の風景を絵に書いていたなつ(広瀬すず)の元に佐々岡信哉(工藤阿須加)が現れる…。
1945年3月の空襲の時家族と離れ、一人、焼夷弾に燃える避難場所の学校にたどり着いたなつ(粟野咲莉)の手を取り、学校のプールへ引っ張っていったは信哉(三谷麟太郎)だった。その後、兄・咲太郎(渡邉蒼)と、妹・千遥(田中乃愛)と再会したなつは、兄と妹だけで戦火に燃え焼け野原となった東京を生き抜いてきた。1946年5月になつの父親の戦友、柴田剛男(藤木直人)に連れられ、十勝の酪農農家「柴田牧場」やって来た9歳のなつ。「どちらかが戦死した時、家族に宛てた手紙を届ける。」剛男はなつの父との約束を守るため、東京日本橋で料理屋をやっていたなつの父の家に手紙を届けにいったが、すでに空襲で家は消失。その後、孤児の居そうなところを探した剛男は、空襲で母を亡くした三兄妹のうち、なつだけを事情があり引き取ってきたと話す。その話を聞き、共に北海道開拓で辛い思いをしてきた柴田富士子(松嶋菜々子)と柴田泰樹(草刈正雄)は、なつを引き取ることについてケンカを始めてしまう。「役に立たない赤の他人を連れてきて、どうする」と、剛男に反対する泰樹。その話をそばで聞いてしまったなつ。「おばさん、ありがとう。」お風呂から上がったなつを綺麗な服に着替えさせる富士子の優しい言葉を聞いたなつは、これまでの辛い経験を思い出し、富士子に抱きつき大粒の涙を流して泣いていた。
第2話
東京にいた頃には決して食べることの出来なかった夕食を前に「夢みたい!」と喜ぶ奥原なつ(粟野咲莉)。剛男(藤木直人)と富士子(松嶋菜々子)はなつを学校へ行かせようと、娘の夕見子(荒川梨杏)の服をなつに着せてみるが、それを見ていた夕見子は「自分の服を貸したくない」と言い出す。「この子だけずるい」と駄駄をこねる夕見子を見ていたなつは、突然「ここで働かせて欲しい」と願いでる。それを聞いていた柴田泰樹(草刈正雄)は、「いい覚悟じゃ、明日から夜明けと共に働け」とみんなの前でなつに伝える。その夜なつは布団の中で思い出していた。空襲の後、子どもたちだけの力で生きるしかなく、他人に同情する余裕すらなかったこと、そして、自分がいつの間にかずるい人間になっていることに気付かされるのだった。
翌朝、冷たい井戸水で顔を洗い牛舎へ向かったなつ。そこで、泰樹の右腕として柴田牧場で働く戸村悠吉(小林隆)とその息子・菊介(音尾琢真)に出会う。泰樹から、しばらくは近くで見ていろと言われたが、なつは見ているうちに手伝おうと考え牛に近づこうとする。しかしなつは「牛に近づくな」と怒鳴られてしまう。牛は慣れない人がいるだけで緊張して乳を出さなくなること、そしてはじめに牛と仲良くならなければならないことを泰樹たちから教えられる。なつは、これまでになく厳しい環境に言葉を失っていた。
第3話
1日も早く酪農の仕事を覚えようと必死だったなつ。酪農は朝四時に仕事が始まり、干し草を牛たちに与え搾乳をする。なつは搾乳はできず、まだ近くで見ているだけ。その後、牛を放牧させ、新鮮な草を食べさせる。その頃、富士子(松嶋菜々子)と剛男(藤木直人)の子供たち照男(岡島遼太郎)と明美(吉田萌妃)は学校へ登校する。なつたちは放牧している間に牛の寝床を綺麗にするが、「私は乳は出せないから力を出さないと」と子供の冗談とは思えない言葉に絶句する戸村悠吉(小林隆)と菊介(音尾琢真)親子。剛男も、周囲に認めてもらおうとするなつのことを、応援するしかないと優しく見守り、泰樹もなつが働く姿を見ていた。その後ようやく朝食を摂るなつと泰樹たち。さらにその後は豆やジャガイモの畑で仕事をし、泰樹は荷馬車を操り集乳所まで牛乳を運んでいく。放牧から帰ってきた牛は再び搾乳。
そんな酪農農家の仕事に疲れ果て、夕食時に食べながら寝るなつを叱りつける泰樹を見て、富士子は涙を流さずにはいられなかった。
なつのいびきがうるさくて寝られないと、泰樹の部屋へ行く夕見子だったが、そこもまた大いびきが大音量で…。
日曜日も休みのない酪農。その日、なつは初めて泰樹から搾乳の手ほどきを受ける。覚えのいいなつはすぐに慣れ、剛男たちも驚くほど。
その様子を見ていた剛男の息子・照男は、自分は頼りにされていないと引け目を感じていた。
そんな中、剛男は夕見子に、なつを北海道に連れてきた理由を話そうとしていたが、そこへ、なつが泰樹とともに姿を消したと富士子から知らせが入る…。
第4話
なつが泰樹に連れてこられたのは帯広の闇市。そこで泰樹からブカブカの長靴を買ってもらったなつ。泰樹は、なつの兄・咲太郎(渡邉 蒼)と妹・千遥(田中乃愛)がバラバラになっていることを知る。それを剛男のせいだと思った泰樹になつは、咲太郎が剛男に頼み、なつだけを北海道に連れて行って欲しい願ったという。
咲太郎は、進駐軍のアメリカ兵にも人気で、タップダンスを得意としていたが、今は孤児院にいて、妹は親戚の家に預けられているという。
その頃、剛男は夕見子になつを引き取った理由を話していた。自分と同じく娘を持つ戦友の死を思い、それを自分に置き換えた時、なつを自分の娘のように幸せにしたいと願ったこと、そして夕見子には、なつのことをただそのまま受け入れて欲しい伝える。夕見子も剛男の思いをしっかりと受け止めた様子だった。
泰樹が、なつとともに訪れたのは知り合いのお菓子屋「雪月」。戦後、食料も金属などの素材も手に入れにくい時代、お菓子を作るには、食材も道具も全部集めなおさなければならない状況で、店は開いているけど売るものはなし、だという。
自分は東京から来たと、なつは小畑家の皆に挨拶する。思ったことをなんでも口にする泰樹や小畑とよ(高畑淳子)の話に、なつは喧嘩をしているのは自分のせいだと思い思わず謝ってしまう。小畑雪之助(安田顕)は、泰樹の持ってきた卵と牛乳でアイスクリームを作る。「言い合える相手がいるだけで、人は恵まれている。」アイスクリームを食べながら、泰樹はなつに教え諭していた。
人に頼る人は誰からも助けられず、自分で解決しようとする人だけが、人から助けられる。このアイスクリームは、なつが働いて得た成果だ。だから、これからは無理に笑わず、無理に謝らず、堂々とここで生きろ、と。
なつは帰りの馬車で夕空を見て、上野の闇市で兄と妹とともに見ていた夕日を思い出していた。
第5話
夕見子(荒川梨杏)から洋服をもらい喜ぶなつ。翌朝いつものように牛舎に向かったなつは、泰樹(草刈正雄)から「今日は学校に行け」と言われる。と同時に周囲の人たちは、泰樹の態度がなつに対して優しくなっていることに驚く。剛男(藤木直人)が付き添い向かった小学校で、なつは夕見子の隣の席になる。剛男は、担任教師の花村和子(岩崎ひろみ)と、校長先生(大塚洋)に、なつは籍に入れないまま家族として育てると説明。クラスには、なつと同じく東京からやってきた山田天陽(荒井雄斗)がいた。東京では浮浪児で、その後に孤児院にいたと話すなつに「バイ菌を持ってきてるのでは」と騒ぐクラスメイトの大作(増田怜雄)たち。天陽は、もしバイ菌を持っていたら、とっくに死んでいる、と大作たちを落ち着かせる。なつは、自分をかばってくれた天陽に感謝し、そこで天陽が、死んでしまった大好きな馬の上手な絵を描くことを知る。
「なんで言い返さないの?」帰宅途中、大作たちが”なつにバイ菌がある”と騒いだことに、なぜ怒らないのか?となつに問い詰める夕見子。しかしなつは、怒る理由が見つからないといった様子。二人が家に着いた時、富士子(松嶋菜々子)は、郵便配達人の山田正治(戸次重幸)から郵便物を受け取っていた。なつは手紙の出し方を正治に聞き、富士子に手紙を出す為の10銭を貸して欲しいと願いでる。そんななつに富士子は、もっと自分の感じていることを素直に言いなさい、手紙なんかいくらでも出しなさい、と、自分の気持ちを直接言い表さないなつに強く伝えるのだった。
「お兄ちゃん、どうして手紙をくれないの?」そんななつは、家族の絵が描かれている父からの手紙を久しぶりに取り出し、孤児院にいるはずの兄・咲太郎(渡邉 蒼)のことを思っていた。
第5話ロケ地
茨城県大子町「旧大子町立初原小学校」|奥原なつ(粟野咲莉)や柴田夕見子(荒川梨杏)、山田陽平(市村涼風)の通う小学校
第6話
「千遥にも手紙を出したいから、おじさんの住所を教えてください。」初めて牛の出産に立ち会った日の前日の夜、なつ(粟野咲莉)は、兄・咲太郎(渡邉 蒼)に手紙を書いていた。なつは、未だ自分の気持ちを正直に表現することができず、天陽(荒井雄斗)の馬の絵をみては、絵のうまかった父を、乳を出す牛がお母さん牛だと教えられては母を思いだすのだった。下校したなつは、郵便配達員の山田正治(戸次重幸)に、手紙を渡し、返事がくるのを心待ちにするようになる。
帰宅してからも落ち着かない様子のなつは、明美(吉田萌妃)の世話を頼まれるが、薪割りをする照男(岡島遼太郎)をみては、兄・咲太郎のことを思い出していた。数日経っても一向に送られてこない兄からの手紙。心ここに在らずのなつが目を離したすきに、世話をしていた明美が転んで泣き出してしまう。富士子(松嶋菜々子)から、泰樹(草刈正雄)を手伝ってあげてと言われたなつだったが、咲太郎から手紙が来ないことに対し一人考えていた。「お兄ちゃんは私をこれ以上寂しがらせないために手紙を書かなのだ」と。
涙を浮かべながら「私のことは心配しないで」と、再び兄への手紙を書いていたなつ。朝早く、なつは突然東京に帰る決心をし、一人柴田家を飛び出して行ってしまう。